太陽光発電システムの導入を検討している方の中には「法人用や事業用の補助金制度はある?」「補助金を使って、少しでも費用を抑えたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
法人用や事業用の太陽光発電システムの導入には、まとまった費用が必要となりますので、うまく補助金を活用できればコスト削減も可能です。
しかし、経済産業省で定めていた太陽光発電の補助金は、2013年の3月末で終了しています。
住宅用・法人用ともに太陽光発電における国からの補助金制度は、2024年9月現在「太陽光発電設備単体」では行われていないのが現状です。
ただし、蓄電池とセットの場合には補助金が交付されます。
また、国からの補助金制度がなくても、各自治体で独自の施策を行っているケースも。
そこで本記事では、2024年現在、太陽光発電 で使える補助金制度について詳しく解説していきます。
「最新の補助金情報が知りたい」「太陽光発電単体では使えなくても、併用すれば利用できる補助金はある?」といった疑問をお持ちの方の参考になると幸いです。
【法人向け】太陽光発電の補助金はある?
法人用・事業や投資目的で太陽光発電システムの導入を検討されている方も多いはずです。
法人用の場合は住宅用と異なり、規模が大きくなりますので、費用もかさんでしまいます。
公募中の補助金があれば、うまく活用しておきたいところですよね。
2024年9月現在、国からの各補助金の公募期間は徐々に終了しているため、それほど多くはありません。
住宅用と同様に「太陽光発電+蓄電池」の併用で補助金が適用されたり、単体の場合には「2MW以上」の大規模な発電所でなければならなかったりなど、それぞれに条件が付けられます。
ただし補助金制度は国からだけではなく「都道府県」または、お住まいの「市区町村」など、各自治体が独自で行っているものも。
「国からの補助金が終了してしまった」と諦めずに、チェックしてみましょう。
- 環境省 ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業
- 環境省 地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業
- 環境省 工場・事業場における先進的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)
順番に見ていきましょう。
環境省 ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業
そもそも「ZEB(ゼブ)」とは「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」を略した言葉であり、消費するエネルギーをゼロにすることを目的とした建物のことです。
太陽光発電を用いて脱炭素を目指し、快適で過ごしやすい室内環境を整えながら、高効率で断熱性の高い建物を造ります。事業目的は、2050年までにカーボンニュートラルを実現すること。
ZEBと似た言葉にZEH(ゼッチ)がありますが、この2つの違いは「規模」です。
ZEBが「大型の建物」に対して、ZEHは一般住宅となります。
【補助金の概要】
予算額 | 47.19億円 |
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補助対象設備 | 新築建築物や既存建築物のZEB化に貢献する設備やシステム |
補助率と上限 | 2/3~1/4 上限は3億から5億円 |
環境省 地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業
こちらの補助金の目的は、脱炭素化はもちろん、近年急速に増加してきた「災害時」や「停電時」の再生可能エネルギーの供給です。
太陽光発電システムにおいては、PPAモデルを導入する場合のみ補助対象となります。
PPAとは「Power Purchase Agreement」を略した言葉となっており、日本語では「電力販売契約」という意味です。
別名「第三者所有モデル」とも呼ばれています。PPA事業者が需要家(主に企業)の敷地内外に無償で太陽光発電を設置し「維持や管理」を行う代わりに、需要家は事業者に対して、毎月のリース代を支払う仕組みです。
PPAモデルの導入は需要家にとって、初期費用・維持費が抑えられることや、メンテナンスや修理が不要などのメリットがあります。
【補助金の概要】
予算額 | 40億円 |
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補助対象設備 | 太陽光発電システム ※防災拠点や避難施設として指定された建物に、PPAモデルで導入する場合に限る |
補助率 | 1/2(市区町村)~1/3(都道府県と指定都市) |
環境省 工場・事業場における先進的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)
SHIFT事業の補助金は、2024年9月現在も公募中です。
- 第三次公募:2024年9月2日~2024年9月24日
- 第四次公募:2024年9月2日~2024年10月15日
SHIFT事業の補助金とは、工場や事業場における「脱炭素化」を目指すことを目的とした補助金制度。
SHIFTは「Support for High-efficiency Installations for Facilities with Targets」を略した言葉となっており、日本語では「対象施設の高効率導入を支援する」という意味合いを持っています。
事業の主な目的は、二酸化炭素の削減、及び高効率機器の導入や運用改善です。
気をつけるべきポイントとして、太陽光発電設備単体では対象外となります。「省エネ設備をセットで導入すること」が条件です。
【補助金の概要】
予算額 | 90億円 |
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補助対象設備 | 太陽光発電システム ※省エネ設備を併せて導入する場合に限る |
補助率と上限 | ①工場及び事業場のCO2排出の削減の目標や計画の策定:上限100万円 ②省CO2型設備更新支援 A:標準事業→1/3 上限1億円 B:大規模電化・燃料転換事業→1/3 上限5億円 C:中小企業→上限0.5億円 |
太陽光発電の補助金における注意点
太陽光発電や蓄電池などの補助金を申請する際に、注意すべきポイントにはどのようなことがあるのでしょうか。
- 補助金が振り込まれる時期に注意
- 補助金の申請が通った場合、確定申告は?
- 補助金を活用後に売却できる?
- 複数の補助金を受け取ることもできる
- 予定されている期日より早めに終了してしまうことが多い
ひとつずつ解説していきます。
補助金が振り込まれる時期に注意
太陽光発電 の補助金を申請し、無事に審査が通っても、すぐに支給されるわけではありません。
一般的には、申請から3ヵ月〜4ヵ月程度の時間がかかります。応募者が殺到すると、さらに遅れる可能性もあるので注意が必要です。
補助金の申請が通った場合、確定申告は?
太陽光発電システムの導入を検討している方の中には、投資目的の方も多いはずです。
売電による収入がある場合には、確定申告しなければならないケースもあるため注意しましょう。
産業用太陽光発電では、売電による年間所得が、20万円を上回るため、一般的には確定申告を行います。
また、売電収入を「事業所得」とするケースでは「38万円以上」の所得があった際に、確定申告を行うことを覚えておきましょう。
補助金を活用後に売却できる?
太陽光発電は、寿命(一般的には、25年〜30年)が来る前に売却するケースも多くなります。
補助金制度を活用した太陽光発電は、売却することは可能なのでしょうか。
補助金を活用した場合でも、売却することはできます。
ただし、返還しなければならないこともあるため注意が必要です。
太陽光発電には、国で定められた「法定耐用年数」があります。これが「17年」ですので、売却検討時に「17年」を過ぎていれば、返還する必要はありません。
しかし、17年に満たない時点での売却は、補助金の一部を返すことになります。
手続きは、それぞれの補助金によって異なりますので、早めに準備をしたり専門家に依頼したりするなどの対応を取るようにしましょう。
太陽光発電の寿命や法定耐用年数については、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
複数の補助金を受け取ることもできる
国だけではなく、都道府県や市区町村でも、太陽光発電の補助金制度が設けられています。
条件を満たすことができれば「国」「都道府県」「市区町村」の3つの補助金を受け取ることも可能です。
各自治体のホームページなどを、定期的に確認するようにしましょう。
予定されている期日より早めに終了してしまうことが多い
補助金には「公募期間」が設けられています。
例えば、上記で解説したSHIFT事業の第三次公募の場合「2024年9月2日〜9月24日」と、申請できるのは約3週間。
多くの補助金は応募が殺到するため、期限を待たずに締め切ってしまうことも少なくありません。
「3週間もあるから、まだ大丈夫」と思っていると、すぐに終了してしまい、申請できなくなる可能性も。
太陽光発電関連の補助金を検討しているときには、早めの準備とミスのない申請を心がけましょう。
まとめ|太陽光発電の補助金を上手に活用しよう
本記事では、法人向け太陽光発電の補助金や補助金を検討した際の注意点について詳しく解説してきました。
太陽光発電の補助金を検討した際には、早めの対応がポイントとなることがわかりましたね。
応募が殺到する可能性も高く、期限よりも早く終了してしまうケースも珍しくありません。
それぞれの自治体が独自に行っている補助金制度もありますので、定期的にチェックし、上手に活用していきましょう。
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最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。