近年、資産運用の相談先としても金融業界の転職先としても注目を集めているIFA。
特定の金融機関に属さない独立系ファイナンシャルアドバイザーとして証券会社等から転職する方も多く、日本証券業協会によると2018年12月時点が3,455人であったところ、直近のデータである2023年12月時点では7,760人と、5年でおよそ2倍に増えていることから人気の職業の一つとなっていることがうかがえます。
しかし、日本の登録外務員数(一種・二種)が約7万人に対して金融商品仲介業者の登録外務員数はまだ少ないことから、IFAに関する情報量も少ないため転職するにも、どのような方法でどう選べばよいのかわからないという方は多いでしょう。
ここでは、IFAへの転職が増えている理由と職業としての醍醐味、そして転職先としてのIFA法人の選び方のノウハウを解説します。
ぜひ、最後まで読んで、IFA転職にお役立てください。
金融機関からIFAへの転職が増えている背景
証券会社や銀行などの金融機関からIFAへの転職が増えています。
培ってきたスキルを活かしてステップアップできるわけですから順当な選択といえますが、実は斜陽化の進む金融機関の現状とDXによる大幅な人員削減なども要因のひとつです。
証券会社の実情、金融業界の人員削減それぞれについて解説します。
証券会社の実情
証券会社からIFAへの転職の主な理由は「ノルマと転勤から解放されたい」という、雇用条件に対するものです。
しかし、それ以前に業界の先行きに不安を感じた方も少なくありません。
2007年の金融商品取引法の施行以降、楽天証券やSBIホールディングスなどのネット証券の躍進が目覚ましい一方、野村HDや大和証券などの証券会社は伸びが鈍化しています。
特にコロナ禍の2020~2023年はその差が著しいものとなりました。
また、店頭で対面販売する顧客の多くは高齢者であり、長期運用を前提とする投資信託などの商品では対応できなくなっている背景もあります。
こうした実情から証券業界の先行きに不安を感じて、IFAへ転職する方が増えているのです。
DXによる人員削減が進む金融業界
コロナ禍は投資熱を高めた反面、DXを推進し多くの企業で人員削減が行われました。
アメリカの金融大手ゴールドマン・サックスが全従業員の約6%を削減するとのニュースが報じられたのは記憶に新しいところです。
日本でもDXによる人員削減はメガバンク一つで1万人以上、全体として4万人にも上るといわれています。
経済への不安から投資熱が高まっても、対応してくれる窓口が減るようでは元も子もありません。
音声ガイダンスや機械的にマニュアル化された応対では、投資家も物足らなくなっています。
IFAの職業としての醍醐味
IFAの職業としての醍醐味は、会社の方針やノルマに縛られることなく、顧客のことを親身に考えて資産運用のアドバイスができることです。
顧客との付き合いに期限などなく、長いスパンで資産運用についてのアドバイスができます。
投資とはそもそも一朝一夕で結果が出るものではないため、顧客に寄り添った仕事ができるのは間違いありません。
投資に関わる仕事をされている方の中で、会社のためではなく、顧客のために全力を注いで結果を求めるIFAに魅力を感じる方も多いでしょう。
IFAの選び方|転職前の5つのチェックポイント
IFAに転職する前にチェックしておきたい点がいくつかあります。
その中で、必ず押さえておきたいのが以下の5項目です。
- IFA法人の情報収集
- ワークスタイルの選択
- 業務提携している証券会社のチェック
- バックオフィスの有無とサポートの充実
- バック率と在籍料の確認(業務委託の場合)
それぞれについて解説します。
IFA法人の情報収集
IFAは知名度が増してきたとはいえ、まだまだ情報不足の状態です。
IFAへの転職でもっとも懸念すべき点でしょう。
そのため、多方面から情報収集に努め、自分なりに咀嚼して判断する必要があります。
具体的な情報収集方法は、以下の3通りです。
- IFA専門の転職エージェント
- IFA法人のオフィシャルサイト
- 先輩IFAからのクチコミ
エージェントはIFAに特化した知識とネットワークがあり、サポートまでしてくれるので転職の成功が高まります。
IFA法人のオフィシャルサイトでは、セミナーやイベントの案内もあるので、積極的に参加して適性を見極めましょう。
知人・友人からのクチコミを踏まえた判断が必要です。
これら3つの方法の順を追うと、自然に絞り込まれていきます。
ワークスタイルの選択(正社員・業務委託・ハイブリッド)
IFAとしての働き方には以下の3つの選択肢があります。
- 正社員
- 業務委託
- ハイブリッド(固定給 + 一部歩合制)
正社員として働く方法は、一般的な企業に就職することと何ら変わりません。
収入の安定は保証されますが、IFAとしての自由度は減ります。
一方の業務委託は完全歩合制となるため収入が不安定になりがちです。
しかし、組織からの縛りもなく、自分の裁量で仕事をこなしていくIFAらしい働き方ができます。
ハイブリッドは正社員と業務委託を合わせた働き方で、固定給に一部歩合制が加味された報酬体系です。
業務提携している証券会社のチェック
IFA法人を選ぶ目安の一つとして、証券会社との業務提携があります。
なぜなら、有力な証券会社と業務提携しているIFA法人は、商品に困ることはないからです。
具体的には、以下のような証券会社がIFAビジネスに注力しています。
- 楽天証券
- SBI証券
- あかつき証券
- PWM日本証券
- 東海東京証券
- マネックス証券
提携先が多ければ多いほど仕事が有利に展開するのはいうまでもありません。
バックオフィスの有無とサポートの充実
バックオフィスとは経理や事務・雑務を担当してくれる社内スタッフのことです。
本来、IFAは金融商品取引の伝票作成やCRM入力などを自分で行わなければなりません。
しかし、バックオフィスのあるIFA法人なら、事務作業丸投げで顧客のフォローに専念できます。
また、自社で獲得した顧客を所属IFAに担当してもらうなど、IFAの育成に力を入れている法人も少なくありません。
こうしたサポート体制は、顧客への対応にも反映されるので重要なポイントです。
バック率と在籍料の確認(業務委託の場合)
業務委託として働く場合、自身が稼いだ分の手数料(バック率)が何%還元されるかをチェックしておきましょう。
バック率は、獲得手数料や商品によって変える企業もあれば一律に設定している法人もあります。
一般的な相場は50〜65%です。
また、在籍料についても確認しておきましょう。
在籍料のない法人もありますが、毎月5〜10万円ほどの在籍料を徴収する企業もあります。
ただし、バック率と在籍料の設定は企業によって異なり、その他のサポート体制と相殺される可能性もあります。
IFA法人を選ぶ際は、全体的な条件を考慮して判断するのが望ましいでしょう。
【まとめ】IFAの選び方は情報収集が鍵|慎重に選んで生涯の天職としよう
IFAへの転職が増えているのはコロナ禍による打撃から一気に進んだオンライン化の影響もありました。
しかし、それ以上にプロの資産運用アドバイザーとして、金融機関の利害を離れたところから投資者の相談に乗れる点が評価されています。
フレキシブルな個人として、顧客と長期にわたって付き合っていくことは、得られる報酬以上の幸福をもたらすことでしょう。
IFAは自身にとっても顧客にとっても一生涯付き合える職業、転職の際は情報収集に努め、慎重にも慎重を期して選びましょう。
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