欧米を始めとした世界各国で一般的に活用されているファミリーオフィス。
超富裕層の間では資産運用と一族の長期繁栄に欠かせない組織として重用されています。
しかし、日本では未だ市場に浸透しきれていないのが現状です。
ここでは、欧米の超富裕層がなぜファミリーオフィスを設立・導入するのかの問いと、ファミリーオフィスのメリットについて詳しく解説します。
記事を読むと、ファミリーオフィスの有用性を理解できると共に、なぜ超富裕層が超富裕層のままでいられるかの理由が解明できるでしょう。
本記事が、ファミリーオフィス導入のきっかけ、および普及の一助となれば幸いです。
超富裕層がファミリーオフィスを設立・導入する理由
ある調査では、個人の資産運用を手掛けるプライベートバンカー1人当たりの平均顧客数は、預かり資産が増えるほどに減少していったとの報告があります。
これは、資産額の多い方ほど手厚いサービスを求めることの証明となります。
この超富裕層の要求に応えられる究極のサービスが、ファミリーオフィスです。
超富裕層の資産は、不動産や株式・債券や保険など、多岐にわたります。それらを、個々の専門業者に委託すると、膨大なコストや手間がかかることとなるのです。
ファミリーオフィスを設立し、専門家集団によって包括的に管理してもらうのが合理的と言えるでしょう。
10兆円もの資産を有するビル・ゲイツ氏が自らファミリーオフィスを設立したように、多くの超富裕層がファミリーオフィスに注目しています。
ファミリーオフィスのメリット
究極のプライベートバンクとも呼ばれるファミリーオフィスからもたらされるメリットには、以下のようなものがあります。
- プライバシーと機密保持
- 長期的な資産保持
- 目的を明確化し将来の課題をなくすことができる
- 一族の人間関係を調整
それぞれについて解説します。
プライバシーと機密保持
一族のプライバシーと機密情報は、ファミリーオフィスという一つの組織の中だけで管理されるため、外部に漏れることはありません。
ファミリーオフィスによる高レベルの機密保持機能は、大きなメリットの一つです。
逆にファミリーオフィスを導入していなければ、情報は各分野の依頼先に委ねられ、それぞれの組織のプライバシー保護方針に則って処理されてしまうでしょう。
組織によって保護方針が異なることもあるため、慎重な対応が迫られます。
ファミリーオフィスは、一族のすべての情報をファミリーオフィスだけで管理し、 高レベルのプライバシー保護と機密保持を実現します。
長期的な資産保持
ファミリーオフィスは、一族とその一族の事業であるファミリービジネスを、長きにわたって成長させるための組織です。
財務的な面だけでなく、無形資産である一族のガバナンスや社会的地位・信頼の維持や強化など、多角的な支援を受けることができます。
さまざまな視点からリスク管理が行われるのはもちろん、次の世代へ資産を継承する計画など、長期的な資産保持につながるアドバイスが受けられることも、大きなメリットと言えるでしょう。
目的を明確化し将来の課題をなくすことができる
ファミリーオフィスのメリットの3つ目は、一族の目的を明確化することで、将来の課題をなくすことができる点です。
ファミリーオフィスは、一族が共有する「価値観」や「将来のビジョン」を明確化し、方向性を統一することができます。
目的を明確化できれば、未来に課題を残すことなく、計画的な事業の成長や目標設定が実現できるでしょう。
一族の人間関係を調整
人間関係の調整は、一族の事業承継や生活全般を業務とするファミリーオフィスならではのサポートサービスです。
一族のメンバーが増えていくと、世代間ギャップや価値観の食い違いによる軋轢が生じることがあります。
ファミリーオフィスは、メンバーそれぞれとのコミュニケーションを密にし、問題を未然に防ぐよう共有資産や社会活動などを通じた⼀族の連携をサポートします。
ファミリーオフィスのデメリット
超富裕層の方々は、お金だけでは幸せになれないことに気づいています。
資産が増えるほどに、管理への不安に苛まされてしまうからです。
そうした不安を払拭するために、ファミリーオフィスへ一元化して託すのかも知れません。
しかし、不安から生じる以下のようなデメリットを排除するのは困難なことです。
- 資産の一元管理への不安
- 一族以外への信頼性の疑念
それぞれについて解説します。
資産の一元管理への不安
ファミリーオフィスによる資産の一元管理はメリットである反面、デメリットにもなり得ます。
なぜなら一族の中には、すべての資産を一つの組織に委ねることに慎重になる方もいるからです。
しかし、莫大な資産を分散管理する手間やコストを考えれば、はるかに合理的です。
加えて、ファミリーオフィスはあらゆる分野の専門家集団として多角的な視点を持ちます。
ファミリーオフィスの一元管理は多角的な視点に基づいているため、分散投資のような多様性も持つ信頼性の高い資産管理といえるでしょう
一族以外への信頼性の疑念
ファミリーオフィスは、そもそも一族による設立から始まったため、近年の一族以外によるファミリーオフィスの乱立に懸念を示す方も少なくありません。
血縁以外は信用しない、という風潮は、どのような世界にも一定数存在します。
こうしたケースに対しては、一族によるファミリーオフィスの設立が望ましいでしょう。
ビル・ゲイツ氏やロックフェラー家がそうであったように、一族による一族のためのファミリーオフィスを設立するのが賢明でしょう。
ファミリーオフィスは、あらゆる分野の専門家集団です。高い機密保持と、一族の反映に寄り添うことがガバナンスの軸である為、莫大な資産の管理・運用を安心して委ねられる組織です。
【まとめ】超富裕層の増えてきた日本にもファミリーオフィス普及の兆し?
本記事では、超富裕層がファミリーオフィスを設立・導入する理由や、ファミリーオフィスのメリット・デメリットについて詳しく解説してきました。
超富裕層の資産は多岐にわたるため、それぞれの専門家に依頼するとコストや手間がかかってしまいます。
ファミリーオフィスを設立すれば、専門家集団に包括的に管理してもらえるため、合理的であることがわかりましたね。
また、メリットのひとつには「一族の人間関係の調整」もあります。意見や価値観の食い違いによって、大きな問題に発展する可能性も少なくありません。
しかしファミリーオフィスは、一人ひとりと密にコミュニケーションを取るため、問題を未然に防ぐことができます。
超富裕層が増えてきた日本で、ファミリーオフィスが普及していくのも、そう遠い未来ではないかもしれません。
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