ファミリーオフィスが日本で普及しない理由とは?欧米の現状について解説

ファミリーオフィス 日本 普及

「ファミリーオフィス」とは、資産運用のみならず、一族とその一族の事業であるファミリービジネスを長きにわたって成長させるための組織です。

財務的な面だけでなく、一族のガバナンス、社会的地位や信頼の維持・強化などの多角的な支援を行ってくれるのが特徴。

しかし残念ながら、日本では未だに普及していないという現状があります。

欧米で広く知られている「ファミリーオフィス」が、日本で普及しない理由には、どのようなことがあるのでしょうか。

そこで本記事では、ファミリーオフィスとは具体的にどのような組織を指しているのか、日本で普及しない理由や欧米の現状について詳しく解説しています。

今後、ファミリーオフィスの利用を検討している方の参考になると幸いです。

目次

ファミリーオフィスとは?

そもそも「ファミリーオフィス」とは、どのような組織を指しているのでしょうか。

ファミリーオフィスとは、富裕層の資産運用だけでなく、一族とその一族の事業であるファミリービジネスを長きにわたって成長させる為に、財務的な面だけでなく、一族のガバナンス・社会的地位や信頼の維持・強化などの多角的な支援を行う組織のことです。

ファミリーオフィスの主な役割は、下記のようなことがあります。

  • 税務対策
  • キャッシュフローの管理
  • 投資戦略アドバイスや実行
  • 資産管理
  • リスクマネジメント
  • 一族の成長を促すための運営
  • ライフスタイルサービス

このように、あらゆる面から一族の成長・発展をサポートする役割を果たしてくれるのがファミリーオフィスです。

日本で馴染みのなかった「ファミリーオフィス」が知られるきっかけは、2021年の「アルケゴス・ショック」です。

アルケゴス・ショックでは、特定銘柄が大きく下落し、投資家たちに大きな影響を与えたことで知られることとなりました。

ファミリーオフィスが日本で普及しない理由とは?

海外では浸透している「ファミリーオフィス」ですが、日本ではまだ普及していないのが現状です。

なぜ、ファミリーオフィスは日本で普及しないのでしょう。

ファミリーオフィスが日本で普及しない理由の一つに「金融法制」の影響が挙げられます。

これは原則、ファミリーオフィスが家族・親族から 預かった資産に「金融商品取引法」「投資信託及び投資法人に対する法律」などの法令が適用されてしまうのです。

日本でファミリーオフィスを活用する際には「第二種金融商品取引業」「投資運用業」への登録が義務付けられています。

欧米とは異なり、金融規制が厳しい点も、日本で浸透しない理由と言えるでしょう。

また、家族・親族によるファミリービジネスの「株式保有比率」が、欧米と比較すると低い点が挙げられます。

ファミリーオフィスの機能のひとつに、家族・親族が保有する自社株式の集約管理がありますが、家族・親族による自社株式保有比率が低いことによって、欧米ほど「ファミリーオフィス」のニーズは高まらなかったのです。

欧米の場合、上場を果たしているファミリービジネスの家族・親族による「株式保有比率」は30%から40%が一般的。

一方、日本のそれは3%から5%と、欧米の10分の1程度の数字です。

ファミリーオフィスの必要性が、欧米と比べると低くなることも、普及しない原因と言えるでしょう。

参考資料:水谷公彦氏「ファミリーオフィスの海外における現状と日本での活用に関する一考察」

欧米におけるファミリーオフィスの現状

日本では、依然として普及していないファミリーオフィスですが、欧米などの超富裕層の多くはファミリーオフィスを活用しています。

ファミリーオフィスの数も、欧米を中心に1万社以上。

米国での始まりは、今から150年近く前となる1882年です。John Rockefeller氏によって初めてのファミリーオフィスが設立されました。

これをきっかけに、欧米で広く認知されることとなったのです。

現在は、ファミリービジネスを営んでいる企業だけに留まらず「地主」や「元経営者」、「投資家」など、数多くの人たちがファミリーオフィスを活用しています。

まとめ|ファミリーオフィスの活用で一族の成長・発展を

本記事では、ファミリーオフィスが日本で普及しない理由や欧米の現状について詳しく解説してきました。

日本では未だ馴染みのない「ファミリーオフィス」ですが、知られるきっかけとなったのは奇しくも投資による莫大な損失で破綻に追い込まれた「アルケゴス・ショック」であることがわかりましたね。

しかし2024年現在も、日本において「ファミリーオフィス」の普及は進んでいないのが現状です。その理由の一つには「金融規制の対象である」点が挙げられます。

一族の絆を維持し続け、今後さらなる発展を遂げるためにも、日本で「ファミリーオフィス」を浸透させる必要があるのは明白です。

ファミリーオフィスを検討している方は、ぜひBMFまでお気軽にお問い合わせください。

BMF(ブルーモーニングフィナンシャル株式会社)は、資産運用アドバイスの専門家として、さまざまな視点からお客様のサポートを行います。

資産管理はもちろん、相続対策や事業承継・M&Aにも対応。

ワンストップサービスで、一族の大切な資産を守ります。

また、金融のプロフェッショナルとして、価値のある商品を提案・販売する仲間を募集中。

金融コンサルタント(正社員)・プライベートバンカー(業務委託)共に積極的に採用中です。

スキルアップを目指している方、家族との時間を大切にしながら働きたい方など、少しでも興味がありましたらお気軽にこちらへお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。

シェアをよろしくお願いいたします!
  • URLをコピーしました!
目次