ファミリーオフィスという言葉は、日本ではまだあまり知られていません。
初めて聞いたという方もいらっしゃるでしょう。
あるいは「ファミリービジネス」や「資産管理会社」とどう違うのか、といった声もチラホラ聞かれることもあります。
日本での認知度は低いファミリーオフィスですが、海外では古くから超富裕層の間で重用されてきた組織です。
日本国内への普及はこれからといったところでしょう。
ここでは、ファミリーオフィスの意味と「ファミリービジネス」や「資産管理会社」との違いについて解説します。
加えて、ファミリーオフィスの主な業務内容も紹介しているので、全体像も掴みやすいでしょう。
ファミリーオフィスに興味のある方、導入をお考えの方は、どうぞ最後までお付き合いください。
ファミリーオフィスとは
ファミリーオフィスとは、一族や一族の運営するファミリービジネスの永続的な繁栄を目的とした組織です。
財務的な面だけでなく、一族のガバナンス、社会的地位や信頼の維持・強化などの多角的な支援を行う組織のことを指しており、有形・無形含むすべての資産について管理・運用を行います。
アセットマネージャーや弁護士、税理士・司法書士、保険プランナーなど金融と法律の専門家により構成され、一族の資産承継と永続的な成長・繁栄のために多方面からサポートを行う点も特徴のひとつ。
多角的な視点から 一族を支えるファミリーオフィスは、超富裕層と呼ばれる方々、ファミリービジネスを営む方々にとって注視しておくべき組織です。
ファミリーオフィスとファミリービジネスの違いとは
ファミリーオフィスと似た言葉としてファミリービジネスがあります。
日本語訳そのままに家族企業を指します。
創業者の一族が経営陣に名を連ね会社を支配している企業であり、世界中のほとんどの企業がファミリービジネスと呼べるほど一般的な企業形態となっています。
したがって、ファミリービジネスとは、一族が所有している「事業そのもの」を指した言葉です。
一方のファミリーオフィスは、一族とその一族の事業であるファミリービジネスを長きにわたって成長させることが目的となっています。財務的な面だけでなく、一族のガバナンス・社会的地位や信頼の維持・強化などの多角的な支援を行う組織のこと。
有形資産の管理・運用はもちろん、一族の人間関係の調整や医療や教育などのライフスタイルマネジメントなどの無形資産に至るまでサポートしてくれるのが特徴です。
ファミリーオフィスは、有形資産の管理・運用や事業承継だけでなく、価値観の共有や家族間のコミュニケーションなど一族のあらゆるニーズに対応してくれる専門家集団となっています。
ファミリーオフィスとファミリービジネスの関係性については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
是非ご参照ください。
ファミリーオフィスと資産管理会社の違いとは
ファミリーオフィスと資産管理会社との違いについても確認しておきましょう。
どちらも、資産の管理・運用を行ってくれる組織という点では共通しています。
しかし、対象となる資産は異なります。
資産管理会社は、株式や不動産といった「有形資産」の運用に特化した組織です。
その一方でファミリーオフィスは、一族が持つ「有形資産」だけでなく「無形資産(価値観や社会からの信用・評判など)」に至るまで、管理・運用を行うのが特徴。
ファミリーオフィスの設立は、一族の長期的な繁栄も目的の一つになっています。
ファミリーオフィスの主な業務内容
一族の永続的な繁栄を支えるファミリーオフィスの業務は、資産管理から税務対策、事務代行や教育・ライフスタイルマネジメントなど、多岐にわたります。
ここでは、そのうちの主な業務として4つをピックアップして紹介します。
- 相続税対策
- 投資方針の立案・実行
- 経理・財務・社会保険等の代行
- 一族のライフスタイルマネジメント
それぞれについて解説します。
相続税対策
海外には相続税ゼロの国もあり、ほとんどの国が軽微な税率で推移していますが、日本の相続税は最高で55%も課せられます。
これが日本での富裕層の成長の妨げになっていると考える向きもあります。
相続税対策は富裕層にとって避けられない課題であり、ファミリーオフィスの主な業務の一つです。
たとえば、相続税の負担が大きく異なる金融資産と不動産における組み換えなど、ケースバイケースで相応しい資産承継スキームを計画します。
また、生前贈与や生命保険・信託などにおいても、一族の状況に合わせた節税スキームを提案してもらえるため安心です。
投資方針の立案・実行
投資方針の立案・実行も、ファミリーオフィスの業務内容のひとつです。
ファミリーオフィスは、一族のニーズに沿った投資方針を立案し実行します。
それぞれの一族で、資産運用の目的が異なるのはもちろん、経営状況や家族構成などもさまざま。
専門性の高いファミリーオフィスが一族の代理人となり、複数の世代にわたって、資産の維持と増殖を見越した運用を実行します。
経理・財務・社会保険等の手続き代行
行政への申請や煩雑な事務手続き一切の代行も、ファミリーオフィスの日常的な業務の一つです。
ファミリーオフィスは一族の金庫番として執事のように財産管理を行い、財務・経理・社会保険・労働保険、その他の行政事務や法律上の手続きなどの煩雑な事務作業のすべてを代行します。
一族の財産の種類に応じた効率的な資産管理方法を企画・提案し、定期的な決算報告も欠かしません。
一族のライフスタイルマネジメント
一族のライフスタイルマネジメントも、ファミリーオフィスの業務内容となります。
ファミリーオフィスは、一族の永続的な繁栄を目的とした組織です。数字で表すことのできない無形資産は、一族の長期的な繁栄に欠かせない要素のひとつ。
例えば、家族のスケジュール管理や教育支援・社会貢献のサポートや健康管理なども含まれています。
また、一族が求めるライフスタイルに合ったサービスを提供し、満足度や幸福度を高めることで価値観の実現をサポートしてくれるでしょう。
【まとめ】ファミリーオフィスは一族の永続的な繁栄をサポートする組織
ファミリーオフィスとは、一族の永続的な繁栄を目的とし、一族の資産の管理・運用を主な業務とする組織です。
ファミリービジネスは、ファミリーオフィスの顧客であり、立ち位置が根本的に異なります。
また、資産管理会社は、有形資産の運用・管理の身を業務とするため、ファミリーオフィスの業務の一環という見方もできます。
違いについては、はっきりと認識しておきましょう。
本記事が、ファミリーオフィスのいっそうの知名度アップと普及の手助けとなれば幸いです。
ファミリーオフィスに関して、より詳しく知りたい方、興味のある方はBMF(ブルーモーニングフィナンシャル株式会社)へご相談ください。
BMF(ブルーモーニングフィナンシャル株式会社)は資産管理・運用のプロフェッショナル集団として、さまざまな方面からファミリービジネスをサポートします。
また、金融のプロフェッショナルとして共に働く仲間も募集しています。
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最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。