「エンジェル投資家に出資してもらう際の、メリット・デメリットが知りたい」
「出資してもらうときの注意点は?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
エンジェル投資家とは、起業して間もない企業に対して出資を行う投資家を指した言葉です。
起業したばかりの頃はまだ知名度や実績が低いため、思うような融資が受けられず、資金面での不安が大きくなります。
そんな時、エンジェル投資家の存在は強い味方となるはずです。
そこで本記事では、エンジェル投資家の意味やベンチャーキャピタルとの違い、出資してもらう際のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
エンジェル投資家とは?
そもそも「エンジェル投資家」とは、どのようなものなのでしょう。
エンジェル投資家は、起業して間もない企業に対して出資してくれる投資家のことです。
なぜ「エンジェル」と呼ばれているのかについても気になりますよね。
エンジェル投資家は、創立してまだ日が浅い企業にとって「天使」のような存在であるという理由で名付けられました。
資金の援助だけではなく、経営に欠かせない「人脈」や「経験」を提供してくれることも「エンジェル」と呼ばれる理由のひとつ。
エンジェル投資家がスタートアップ企業に出資を行うかどうかを決める判断は、一般的な金融機関と異なります。
主に「将来性」や「話題性」「社会貢献度の高さ」などを重視する点がポイントです。
また、出資を行った見返りとして、株式を受け取るケースが多くなります。
エンジェル投資家とベンチャーキャピタルの違い
エンジェル投資家と似た言葉の中に「ベンチャーキャピタル」があります。
どちらも「起業して間もない企業に投資を行う」という点は共通していますが、さまざまな違いがあるため比較していきましょう。
エンジェル投資家 | ベンチャーキャピタ+ル | |
---|---|---|
出資者 | 個人 | 投資会社(法人) |
出資する金額 | 少額 | 大規模 |
出資する時期 | 企業してすぐの初期段階 | 成長段階 |
審査の有無 | 特になし(独断) | 厳しい審査がある |
投資目的 | 企業を成長させること | 大きなリターンを得ること |
上記が、エンジェル投資家とベンチャーキャピタルの主な違いとなります。
エンジェル投資家が「個人」であることに対し、ベンチャーキャピタルは「法人」です。
また、出資の金額にも大きな違いがあります。エンジェル投資家の出資金額は、おおよそ数百万円〜数千万円程度です。投資家の独断で出資を決定するため、投資までのスピードは非常に早くなります。
一方でベンチャーキャピタルは、複数の投資家たちから投資資金を集めるので、金額は大きくなります。その額は、一般的に1億円〜2億円。
その分ハードルも高く、厳しい審査が行われるのはもちろん、投資するまでの期間も長くなってしまいます。
投資目的も、それぞれ異なります。
エンジェル投資家は「企業を成長させること」や「若い起業家を応援すること」などが主な目的です。
しかし、ベンチャーキャピタルは「大きなリターン」や「確実な収益」に重点が置かれています。
エンジェル投資家に出資してもらうメリット
ここからは、エンジェル投資家に出資してもらう際のメリットについて確認していきます。
- 返済の義務がない
- 経営についてのアドバイスがもらえる可能性
- 人脈が広がる
ひとつずつ解説していきます。
返済の義務がない
メリットの1つ目は、返済の義務がないことです。
金融機関などから融資を受けた場合には、月々決まった額を返済する義務があります。また、「利息」支払いも必要になるため、起業当初は大きなプレッシャーになることも。
しかし、エンジェル投資家からは「出資」という形で資金提供してもらえるため、一切の返済義務がありません。
スタートアップ企業が陥りがちな、資金繰りの悪化を回避できる可能性が高まるでしょう。
経営についてアドバイスがもらえる可能性
メリットの2つ目は、経営についてのアドバイスがもらえる可能性もあることです。
エンジェル投資家の多くが、自身の経験を活かし、若い起業家を応援したいという思いから出資を行っています。
経営が軌道に乗るためのアドバイスや経営のノウハウを提供してくれる可能性も十分に考えられるでしょう。
エンジェル投資家から専門的なアドバイスをもらうことで、経営不振に陥るリスクを軽減することができます。起業して間もない経営者にとって、心強い味方となってくれるはずです。
人脈が広がる
3つ目のメリットは、人脈が広がることです。
多くのエンジェル投資家は、自ら「経営者」として活躍しているケースが多く、さまざまな企業とのネットワークを持っています。
取引先を紹介してもらえたり他の投資家を紹介してもらえたりする場合も。
また、事業を拡大していく際に欠かすことのできない、優秀な人材を紹介してくれることもあるでしょう。
エンジェル投資家に出資してもらうデメリット
エンジェル投資家に出資してもらう際には、知っておきたいデメリットもあります。
- 経営の自由度が下がる場合もある
- 出資額が希望より少ないことも
- 情報開示の義務が増える可能性
順番に見ていきましょう。
経営の自由度が下がる場合もある
デメリットの1つ目は、経営の自由度が下がる場合もある点です。
エンジェル投資家の中には、定期的に企業の置かれている現状を確認してきたり、経営方針に口を挟んだりすることも。
しかし、エンジェル投資家は「株主」でもあるため、ある程度の意見は受け入れなければなりません。
思い描いていた経営ができなくなるケースもあるため、注意が必要です。
出資額が希望より少ないことも
デメリットの2つ目は、出資額が希望よりも少ない可能性があることです。
エンジェル投資家の出資額はさまざまですが、一般的には「数百万円」である場合が多くなります。
目標額に到達できないときには、複数のエンジェル投資家を探さなければなりません。
または、ベンチャーキャピタルや金融機関での資金調達を検討する必要があるでしょう。
情報開示の義務が増える可能性
デメリットの3つ目は、情報開示の義務が増える可能性もある点です。
エンジェル投資家が出資するか否かを判断する基準として「話題性」や「将来性」を重視するケースが多く見られます。
出資してもらうためには、詳細な事業計画や機密情報も伝えなければなりません。
例えば、信頼性を築くためには、企業の透明性を存分にアピールする必要があります。事業内容や収益モデルなどはもちろん、過去の財務実績や資金使途・財務状況の現状を明確に伝えるのがベストです。競合他社の動向や市場の変化といったリスクと、その対応策などを併せて提示すると、信頼度が増すでしょう。
また、投資家の「投資するに値する企業なのか」といった疑念を払拭するためには、経営陣の経歴や経験・スキルなどをアピールすると良いかもしれません。
エンジェル投資家に出資してもらう際に注意したいポイント
エンジェル投資家に出資してもらうときに、注意しておきたいポイントがあります。
- 上場を目指さなければならないケースも
- 期待されることがプレッシャーとなる
覚えておきたいポイントは、上記の2つです。
エンジェル投資家の多くは、スタートアップ企業の成長や、若い起業家の支援を目的として出資を行います。
しかし見返りとして受け取った株式を、上場をきっかけに売却して、利益を得たいと考える投資家がいるのも事実です。
その場合、事業計画において「上場」の予定がない企業に対しては、出資しないケースも。
後のトラブルに発展しないよう、事前に明確な事業計画を伝えるようにしましょう。
2つ目は、期待されることがプレッシャーになる場合もある点です。
出資してもらうことで、大きなサポートを受けることができますが、それと同時にプレッシャーも伴います。
短期間での企業の成長を要求される場合もありますし、決算情報等の定期的な情報開示の際に結果が出ていなければ、それが大きなプレッシャーとなってしまうのです。
期待値のギャップを埋めるためには、長期的な事業計画を共有したり、コミュニケーションを強化してお互いの疑問点を解消したりすることが欠かせません。
まとめ|エンジェル投資家はスタートアップ企業にとって心強い存在
本記事では、エンジェル投資家とはどのような存在なのか?ベンチャーキャピタルとの違いや、出資してもらうメリット・デメリットなどについて詳しく解説してきました。
エンジェル投資家とは、起業して間もない企業に対して出資してくれる「個人の投資家」であることがわかりましたね。
出資を判断するポイントは、主に「将来性」や「話題性」などが重視されます。
ただし出資額は数百万円となることが多いため、目標額に届かない場合には、ベンチャーキャピタルや金融機関での資金調達を考慮する必要があるでしょう。
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