「産業用太陽光発電の設置費用はどのくらいかかる?」「太陽光発電投資に興味があるけれど、どれくらいの期間で設置費用を回収できるか知りたい」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
CO2の削減や売電、自社の電気代を抑える目的などから、大きな注目を集めています。
しかし産業用太陽光発電は、住宅用太陽光発電と比べて大規模な工事や設備投資が必要となるため、費用面が気になりますよね。
そこで本記事では、そもそも産業用太陽光発電とはどのようなものなのか?設置費用や内訳・維持費などについて詳しく解説していきます。
10kW以上の出力を誇る「産業用太陽光発電」について知りたい方の参考になると幸いです。
そもそも産業用太陽光発電とは?
そもそも「産業用太陽光発電」とは、どのようなものなのでしょう。
産業用太陽光発電とは、10kW以上の出力があり、遊休地などの広大な敷地に設置される、太陽光発電のシステムです。
発電された電力を売電できることから、多くの企業はもちろん、個人の投資家からも注目を集めています。
太陽光発電には「産業用」と「住宅用」の2種類があり、その違いは「出力」です。
産業用が10kW以上なのに対して、家庭用は10kW未満となっています。
太陽光発電の基礎知識や仕組みについては、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
産業用太陽光発電の設置費用
産業用太陽光発電の設置には、どのくらいの費用が必要となるのでしょうか。
これは、システムの規模によっても金額が大きく異なってきます。
一言で「産業用太陽光発電」といっても、10kW以上から大きなものだと1,000kW以上のものまでさまざま。
つまり、相場を確認するためには「1kW当たりの金額」で計算するとわかりやすいでしょう。
経済産業省が公開しているデータを見てみると、2023年に設置されたそれぞれのシステムの費用相場(設備費や工事費を含む)は、下記のようになります。
- 10kW~50kW:25.1万円/kW
- 50kW~250kW:19.0万円/kW
- 250kW~500kW:16.7万円/kW
- 500kW~1,000kW:14.7万円/kW
- 1,000kW以上:19.2万円/kW
また、費用の平均値は、年々下がってきていることもわかりますね。
上記を単純平均した場合、1kW当たりの費用相場は、おおよそ「25万円/kW」となります。
システムの規模が大きいほど、効率が良くなっているのが特徴です。ただし、1,000kW以上のシステムは「野立て太陽光発電」となるケースが多いため、屋根への設置ではかからない「土地造成費」が必要となります。
地上に設置する場合と、屋根に設置する場合によっても費用が変わってきますので確認していきましょう。
屋根に設置するケース
産業用太陽光発電を屋根の上に設置する際に発生する費用の相場は、下記のようになります。
<2023年度:屋根設置の費用相場>
用途 | 相場(1kW当たり) |
---|---|
接続費 | 4,000円 |
土地造成費 | 0円 |
設計費 | 1,000円 |
工事費 | 69,000円 |
その他の機器 | 17,000円 |
架台 | 23,000円 |
パワコン | 32,000円 |
パネル | 84,000円 |
その他値引き | ‐7,000円 |
上記を合算した場合、合計は223,000円/kWとなります。
したがって、それぞれのシステムを屋根に設置した際の相場は、次の通りです。
- 10kW:2,230,000円
- 50kW:11,150,000円
- 100kW:22,3000,000円
屋根設置の場合、土地造成費は必要ないのがポイント。また、パワコンやパネルにかかる費用が減少傾向にあることが見て取れるでしょう。
地上に設置するケース
続いて、産業用太陽光発電を地上に設置する場合の費用相場について見ていきましょう。
<2023年:地上設置の費用相場>
用途 | 費用(1kW当たり) |
---|---|
接続費 | 18,000円 |
土地造成費 | 15,000円 |
設計費 | 3,000円 |
工事費 | 78,000円 |
その他の機器 | 16,000円 |
架台 | 39,000円 |
パワコン | 29,000円 |
パネル | 99,000円 |
その他値引き | ‐17,000円 |
上記を合算した結果、地上に設置した際の費用相場の合計は280,000円/kWです。
屋根への設置と比較すると、土地造成費や接続費・架台などの負担が大きくなります。
それぞれの容量に当てはめた相場は以下の通りです。
- 10kW:2,800,000円
- 50kW:14,000,000円
- 100kW:28,000,000円
上記はあくまでも目安です。場合によっては、工事費に「追加料金」が発生することがあったり、屋根の補強工事が必要になったりする可能性もゼロではありません。
相場だけに頼ることなく、相見積もりを取り、しっかりと事前の準備を整えておきましょう。
産業用太陽光発電の維持費はどのくらいかかる?
産業用太陽光発電の設置費用について確認してきましたが、設置後の「維持費」も忘れてはいけないポイントです。
維持費にも、まとまった金額が必要となるため、しっかりと予算を組んでおく必要があります。
維持費には大きく分けて、下記の5つです。
- メンテナンス費用
- 清掃費用
- システム交換費
- 保険料
- 固定資産税
ひとつずつ解説していきます。
メンテナンス費用
まず1つ目は、メンテナンス費用です。産業用太陽光発電において、定期的なメンテナンスは欠かせません。
10kWのシステムの場合、一般的に年間5万円のメンテナンス費用がかかります。1kWにつき5,000円前後の費用が必要となるのです。
30kWのシステムなら1年間で15万円、100kWのシステムでは50万円程度のメンテナンス費用を準備しておかなければなりません。
「メンテナンスしなくても問題ないのでは?」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、発電効率が悪くなる恐れがあったり、自然災害で故障や破損したりし ている可能性も。
システムの規模が大きければ、それだけ費用もかさみますが、チェックを怠ってしまうと更に大きな出費につながるケースもあります。
清掃費用
清掃費用とは、太陽光パネルの清掃にかかる費用です。
システムは、屋根・地上どちらも屋外に設置されているため、雨や砂埃などで汚れてしまいます。
また、鳥のフンが付いてしまっても、発電効率に悪影響を及ぼすでしょう。
「清掃なら自分たちでできるのでは?」と考えがちですが、パネルに傷をつけてしまう可能性もありますし、高所での作業となるため危険が伴います。
清掃は、専門業者に依頼するのがおすすめ。
費用相場は「パネル1枚あたり500円〜1,000円+基本料金」となります。基本料金は、おおよそ5万円前後となるのが一般的です。
システム交換費
システム交換費とは、パワーコンディショナの交換費用です。
太陽光パネルの寿命は、おおよそ「25年から30年 」と言われています。
それに対して、パワーコンディショナの寿命は「10年から15年」と、短くなっているため注意しなければなりません。
太陽光パネルが限界を迎えるまでの期間に、最低一度は交換が必要になります。
費用相場は、30万円〜40万円。
ただし、大半の製品には最低でも10年以上のメーカー保証が付いているため、保証期間内であればメーカーに対応してもらえるでしょう。
保険料
産業用太陽光発電を設置する際には、保険への加入が大切です。
屋外に設置するため、自然災害に遭うリスクも大きく、保険に加入しなければ予想外の出費に見舞われる可能性も。
自然災害での破損は、メーカー保証の対象外となるケースも多いため、万が一に備えておくことがポイント。
例えば火災保険の場合、相場は初期費用の3%前後となるのが一般的です。
固定資産税
産業用太陽光発電には、固定資産税がかかります。
計算式は、下記の通りです。
所有する固定資産の課税標準額×標準税率1.4%=固定資産税額
また、住宅用の場合は、固定資産税の対象外となる点も覚えておきましょう。
まとめ|産業用太陽光発電の設置費用を理解し資産運用に生かそう
本記事では、産業用太陽光発電とはどのようなものなのか?屋根や地上に設置する際の費用相場や、設置後に必要となる維持費について詳しく解説してきました。
産業用と住宅用には「出力」の違いがあることがわかりましたね。
住宅用の出力は「10kW未満」であることに対し「10kW以上」のものを、産業用といいます。
また設置費用は、システムの規模によって大きく異なり、大規模なものほど効率的に設置することが可能です。
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最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。